いつ(五つ)の世(四つ)までも
2025.08.02
沖縄地方に古くから伝わる「ミンサー織」は、五つと四つの市松模様が織り込まれた伝統的な文様です。この模様には、深くあたたかな想いが込められています。
五つと四つの格子は、「いつ(五つ)の世(四つ)までも」──つまり「いつの世までも、末永く一緒に」という意味を表現しており、女性が想いを込めてこの柄の帯を織り、大切な人に贈っていたと言われています。そこには、言葉では伝えきれない永遠の愛や誓いが織り込まれていました。
目に見えないけれど確かに存在する想い。言葉で愛を語ることが控えめとされた時代、女性たちはこの模様に密やかな誓いと情熱を託していたのです。
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