茜色

茜色

2025.07.17

茜色が、海と空をゆるやかに染めていく。波間に映る空は、まだ昼のぬくもりを抱きながら、静かに夜の支度を始めていた。

海と空の境界は、おぼろげでありながら、確かにそこに存在し、ふたつの世界をやさしく分けている。

その景色を眺めていると、不思議な感覚に包まれる。境界は、ただ海と空を隔てる線ではなく、むしろ、今日と明日を穏やかに結び、ゆるやかに時をつなぐ約束のように思えてくる。

昼から夜へ、そしてまた朝へ。自然はいつも静かに、けれど確かに時をつないでいる。その連なりの中で、私たちもまた、日々を紡ぎながら生きている。

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