藍 ― 沖縄の青を映す色

藍 ― 沖縄の青を映す色

2025.09.20

藍(あい)」は日本で古くから親しまれてきた青の色名で、英語では indigo と呼ばれます。
沖縄の海の深さや、空の澄んだ青さを思わせる色で、人は古来より植物から色素を取り出し、衣や暮らしに活かしてきました。

琉球藍は、インドからインドシナ、中国南部、台湾を経て沖縄へ伝わり、かつては日本各地でも栽培されていました。しかし、明治以降は化学染料の普及により、手間のかかる天然藍は次第に姿を消していきます。
それでも沖縄では、海や空と同じ深い青を生み出す琉球藍が受け継がれ、染め物文化を支え続けてきました。

現在、琉球藍を栽培している地域はほぼ沖縄に限られています。
この青は、単なる染料ではなく、島の自然や記憶を宿した色として大切に守られています。
沖縄の海と空を映すような琉球藍は、今もなお暮らしや工芸に息づき、未来へと受け継がれています。

arrow_forward琉球杢目のコラム一覧へ戻る